ブログ：リファイニング建築　見学会

先日、青木茂建築工房のリファイニング建築の解体現場見学会に行ってきました。
リファイニング建築とは、主に旧耐震基準(昭和56年以前の基準)の弱体化した建物を軽量化や耐震補強して現行法に適用させ、さらに意匠、設備、用途転用など一新し建物を長寿命化して利用するものです。

このメリットは、
・すべてを解体し新築するよりもコストが70～80％で出来る
・工期が新築よりも短く出来る
・新築では現行法規により高度斜線や日影規制で現在ある建物より低くなってしまう場合でも、既存遡及としてそのままの高さで出来る
・様々な建築条件で新築が困難な場合に対応できる
・廃材が少なく環境に配慮している

などたくさんのメリットがあります。
また、物件によっては当時の検査済証がない(取得していない)、図面が残っていないというものでも、すべてを調査し図面化し適法になるように設計するものもあります。

相当の労力と能力が必要となりたくさんのノウハウがあるから出来ることです。
簡単に出来ることではないですが、今後の建築物のあり方の選択肢の一つとして大きな意味があると思います。
今回の見学会の物件は専門学校を賃貸共同住宅にする計画です。

階段部分を取り壊し新たに鉄骨階段を設置、隣はエレベーター設置予定

既存状況のチェックの跡が柱梁に描かれている

１階に設置される耐震補強壁